胸の痛み
胸痛とは
胸痛は多くの病気によって引き起こされます。それら全てが心臓の病気というわけではありません。胸痛は消化器(食道、胃腸)肺、筋肉・神経・骨の病気によっても起こる事があります。直ちに生命を脅かす病気から軽い物まで様々な病気が含まれます。
一般的な原因としては
1)肋骨、肋軟骨、胸の筋肉や骨、神経が原因の痛み
肋軟骨は意外と損傷しやすく、胸痛の原因となり得ます。診療所を受診する胸痛の原因のうち胸壁(筋肉や骨)が25〜50%を占めるといった統計があります。
2)肺を覆う膜の炎症(胸膜炎)
肺炎が広がり胸膜まで炎症が及ぶと胸痛の原因となります。
3)心臓を包む膜の炎症(心膜炎)
胸膜炎と同様に心膜に炎症が生じると胸痛の原因となります
4)消化器系の病気による痛み(逆流生食道炎、潰瘍など)
胃酸によって生じる逆流性食道炎や食道潰瘍による痛みが胸痛の原因となります。
5)心臓や大血管の病気による痛み(心筋梗塞、急性大動脈解離、胸部大動脈の破裂など)
最も生命に関わる病気です。上記以外にも、狭心症や一部の不整脈や、心臓弁膜症も胸痛の原因となります。顔色が悪い、冷や汗をかいているなどの、下記の症状が付随している場合は、躊躇せずに119番から救急病院を受診しましょう。
6)気胸(肺からの空気の漏れにより肺がしぼむ病気)
押しつぶされそうな胸全体の痛み、息切れを伴う、冷や汗をかく、吐き気や嘔吐がある、背中や首、顎、上腹部、肩や腕に広がる痛み(痛む部位が移動する)、目の前が暗くなったり、失神した場合や、動悸や不規則な脈を伴う場合は、救急医療機関(高次医療機関)を速やかに受診する必要がありますので、遠慮せずに救急車を要請して、胸が痛くて苦しいことを救急隊員に伝えて下さい。