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サッカーW杯と不整脈

[2006.05.31]

ドイツで開催されるサッカーW杯が近づいてきました。2002年に日本と韓国で共同開催された前回と違って、睡眠不足の方が増える気がします。くれぐれも血圧等にご注意下さい。2002年に開催された際、海外の方に驚かれた事態がありました。それは、日本国内に“AED”と呼ばれる装置が、競技場などに設置されていなかった事です。では“AED”とは、一体何でしょうか?

AEDとは英文名で“Automated External Defibrillator”の頭文字をとったもので、日本語では、“自動体外式除細動器”と呼ばれています。
この機械は、命に関わる重症の不整脈を治療するための装置です。重篤な不整脈を予防するものではありませんが、重篤な不整脈(心室頻拍や心室細動)を発症した患者さんの心臓に電気ショックを与え、不整脈を停止させ、発作が死に至ることを防ぎます。重症の不整脈が発症した疑いのある患者さんに、この装置を接続することによって、機械は自動的に心室細動などの致死性の不整脈であるか、そうでないかをすばやく判断し、必要であれば電気ショックによって治療を行います。

使用方法は簡単で、電極と呼ばれるシールを絵で示されている位置を貼り付け、電源を入れると器械が操作方法を音声とディスプレーで指示してくれますので、
使用者はその指示どおり操作をしていきます。たとえ使用者が心電図の読み方や不整脈などの医療知識がなくても器械が自動的に、電気ショック(除細動)が必要な不整脈が起きているか否かを判断してくれます。使用者は器械の判断によって除細動が必要とみなされたときのみ電気ショックを実行することが可能となります。この器械は電気ショックが不要の患者さんに対しては決して除細動を実施することはありません。この装置により、救命される方が増えることが証明されていましたが、当時の日本では使用が認められておらず、海外の関係者から、設置を求める声が上がりました(大会期間中は、秘かに設置されていたそうですが・・・・)。2004年から、一般の方々が使用する事が許可され、昨年の万博で実際に使用されたニュースをご記憶の方も居られると思います。最近では、空港、ホテル、学校などに設置されてきています。

このような装置を使うことのない事を望みますが、実際に使用する際に備えて、講習を受けられては如何でしょうか?講習会は、日本赤十字社大阪支部(06-6943-0705)に問い合わせ下さい。

ご希望の方が多ければ、当院でも開催いたしますので、一度ご連絡下さい。

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