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不整脈と脳梗塞(長嶋さんと同じ?)

[2006.03.10]

元巨人軍監督の長嶋さんが脳梗塞に倒れられ、リハビリテーション後に復帰された姿をテレビ等で観られた方は多いと思います。いまだに言葉や右手がご不自由な様子で、脳梗塞の後遺症が見受けられます。

このように”心房細動”と呼ばれる不整脈に脳梗塞が合併する事が多いのです。高齢になればなるほど、心房細動を起こし易くなります。心房細動単独では、生命にかかわる可能性は低いのですが、心房細動になると”血栓”と呼ばれる血の塊が心臓の中に出来てしまいます。この血の塊が、血の流れに乗って脳に到達し、脳を栄養する血管に詰まってしまって、脳梗塞を起こしてしまいます。一旦、脳梗塞を起こしてしまうと、手足の麻痺が残ったり、言葉が不自由になったりします。リハビリテーションである程度は改善はしますが、不幸にも寝たりになったり、強い麻痺が残ったりする事があります。

心房細動を起こさないように、お薬、手術、カテーテルによる治療が行われていますが、100%完全に予防できる(再発を防げる)治療方法はありません。慢性の心房細動になった方は、血栓が作らないようにお薬を飲まなければならなくなります(特に65歳以上)。心房細動の原因は多彩で手ごわい病気ですが、高血圧を放置したりすれば、心臓に負担がかかってなりやすくなります。心房細動の予防効果のある高血圧のお薬の種類もわかりつつあります。高血圧なら何とかなると思わずに、寝たきり予防のためにも、経験豊富な医師の治療をお受け下さい。

以前、心房細動の患者さんに”長嶋さんと同じですね”とお話したところ、”全然違いますよ!向こうは、自分で看護婦さんやリハビリの人を雇えますが、私らでは無理です。ちゃんとお薬を飲んで、脳梗塞の予防をします。寝たきりはご免です!!”と言われたことがあります。

ご自分のためだけではなく、ご家族のためにも治療を受けてください。

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