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動脈硬化について

[2006.10.10]

なぜ、生活習慣病やメタボリックシンドロームと言った病気が話題になるのでしょうか?
それは、動脈硬化を引き起こし、色々な合併症を起こすからです。今回は動脈硬化について書いてみました。

WHO(世界保健機構)の調査によれば、世界の全死亡の30%は、心血管疾患が原因であることが判っています。心血管疾患とは、“心臓及び大きな(太い)血管の病気”のことで、大部分は“動脈硬化”が進行することが色々な病気につながっていきます。

動脈硬化とは、『動脈の壁が厚くなり、硬くなって血管本来の働きが低下する』ことです。動脈硬化は、10歳前後から進みだし、30歳前後で完成された動脈硬化が見られるようになるとされています。この動脈硬化自身は症状も無く進行していきます。高血圧、高脂血症(高コレステロール血症)、糖尿病、喫煙やストレスなどの危険因子が加わると、動脈硬化が一段と進行して、色々な病気の原因となってしまいます。

冠(状)動脈(=心臓の筋肉に血液を供給する血管)、胸やお腹の大動脈、脳や首の血管、腎臓の血管や手足の血管などに動脈硬化が生じやすいため、狭心症・心筋梗塞、脳梗塞、大動脈瘤などを引き起こしてしまいます。
特に、崩れやすい粥状動脈硬化と呼ばれる動脈硬化は、動脈硬化の部分が壊れ(破綻)、血小板が集まり(凝集)、ついには血の塊(血栓)を作るために、心筋梗塞を引き起こすことが判ってきています。心筋梗塞や脳梗塞予防のために、血小板が集まって血栓を作ることを予防する抗血小板薬(少量のアスピリンなど)を使う理由がここに在ります。決して“血液ドロドロ”のために詰まってしまう訳では有りません。

病的な動脈硬化(破綻しやすい動脈硬化)を進行させないためにも、危険因子を取り除いて(食事に気を付け、運動を心掛けて)、未然に予防しましょう。また、危険因子の内の何れかの病気の方は、厳重な管理と確実な治療をお受け下さい。
高血圧、糖尿病や高脂血症などは、症状の現れにくい病気です。現在は何の心配のない方も市民検診などを上手く利用して、早期発見に努めるのも大事でしょう。

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