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聴診器

[2006.07.04]

“心臓病、聴けばわかる”

朝日新聞の夕刊に、“ニッポン人脈記 ブラックジャックたち”という記事が連載されています。7月3日の内容は、大変すばらしく、大学病院に勤務していた時に、香取元教授、石川前教授から受けた薫陶を思い出し、身が引き締まる思いでした。

“心臓病の診断は簡単だ。話をゆっくり聞けばよい。但し、大事な話を引き出すのは、医者の知識と技量が重要です。”“どんなに機械が進歩しても、私は聴診器の方を信用する。”といった指導内容で、厳しく指導されました。「日本では、一番大事な問診や診察が軽視されている。」といわれる聖路加病院・日野原先生のお気持ちは痛いほど伝わります。

心臓病に関しては、問診・診察でおおよその診断は可能です。以前、米国の高名な心臓病医であるJules Constant先生の診察を見学させて頂いた経験があります。特殊な検査を行わず、丁寧な診察だけで診断されていました。まさに、その診察・診断は芸術のようだと感じました。アメリカにはこのような診察方法(理学所見といいます。)に関する教科書が沢山あり、少しずつ疑問に思う点を確認するようにしていますが、なかなか進歩しません。患者さんのためにも、無駄な検査やお薬を省くためにも、精進が必要だと自分自身に言い聞かせている毎日です。

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