心房細動
心房細動は、最も多い不整脈の一つで、高齢化に伴い非常に増加しています。
心房細動は、心臓の上部にある心房が不規則かつ非常に速いリズムで収縮する状態です。
この状態では、心房が効果的に収縮せず、血液が正常に心室へ送られなくなります。
更には心房が拡大して僧帽弁逆流症を生じたりすることにより心不全を合併したりします。
また血流が乱れて血栓(血の塊)が左心房(左心耳)の中に、できやすくなります。
この血栓が血管を通って脳に到達すると、脳梗塞を引き起こします。具体的には、心房細動を持つ患者の脳梗塞リスクは、心房細動を持たない人に比べて約4.5倍高いとされています。
また動脈硬化による脳梗塞と比べて重症な事が多い特徴があります。
治療には、①薬物療法、②カテーテルアブレーション、ぺースメーカーの植込みなどがあります。
- 薬物療法としては、抗不整脈薬で心房細動を停止させたり、脈拍の調節を行います。最も重要な治療は、抗凝固薬でよる脳梗塞予防となります。
- カーテルアブレーションは、不整脈の原因となる異常な電気信号を伝わらなくするために心臓を焼灼する治療で、根治が期待でき、将来の心不全や脳梗塞のリスクを減らします。
- 脈が遅い場合はペースメーカーで脈拍を増やす様にします。
心房細動の管理には、定期的な医療機関での検査・治療の継続と、ライフスタイルの改善が重要です。
食事の見直し、適度な運動、禁煙、アルコールの節制などが推奨されます。
心房細動は、適切な治療と管理により、脳梗塞のリスクを大幅に低減することができます。
定期的な医療機関でのチェックと医師の指導に従い、リスクを管理することが重要です。
自分で脈をチェックした際に脈が乱れていたり、健康診断で心房細動と言われた時は、循環器内科を受診して下さい。